外反母趾の時期は、可逆期、 拘縮(こうしゅく)期、 進行期、 終末期に分けられます。
【 可逆期 】
可逆期とは、足の親指が外側に曲がっていても、内側に曲げようと自分で力を入れたり、外から力を加えれば、簡単に指の位置が元に戻る時期です。
靴を履いている間は、親指が押されて外反していても、はじめのうちは、靴を脱げば、筋肉や関節包、靱帯などの伸縮力によって、元に戻ります。
【 拘縮(こうしゅく)期 】
長い間、外反母趾が続いていると、内側の関節包や靱帯が縮んでしまい、親指を外側に曲げる内転筋も短くなり、拘縮が起き、外転筋や手の指で、足の親指を正常な位置に戻そうとしても、元に戻らなくなります。
【 進行期 】
さらに外反母趾が続くと、親指のつけねの関節が、親指を曲げる母趾屈筋腱の上から、内側に外れてしまいます。
こうなると、足の指を曲げたり伸ばしたり、する力が、親指を外側に曲げ、第一中足骨を内側に広げるように働くので、もはや靴に押されなくても、立って歩こうとして、親指に力を入れるだけで、親指が外側に曲がってしまい、外反母趾が自然に進行します。
【 終末期 】
こうして外反母趾が進行していくと、ついには、親指は第二指の下にもぐり込み、親指のつけねの関節は脱臼します。
こうなってしまうと、親指を踏み返すのが難しくなります。
しかし、腱が親指を引っ張っても、脱臼して回転中心を失っているので、もはやこれ以上外側に曲がらなくなります。