外反母趾治療のための装具は、関節の拘縮を予防し治療する有力な手段ですが、過信することは禁物です。
その中で親指の外反母趾に対しては指の間にはさむ、三角形のセパレーターが簡単で、安くて、効果が確実です。シリコンゴムで作ったセパレーターが市販されています。またセパレーターは、自分で作ることも出来、3回たたんだガーゼを、半分に切り、横に3分の1にたたみ、縦に半分にしたものを折り目を奥にして足の指の間にはさみます。最も簡単で、安く、使い捨てで、上から靴下をはいてしまえば外れません。
夜間は、矯正力のある装具を使います。いろいろな形がありますが、まっすぐな支柱に親指をしばりつけて矯正する装具が単純で効果的です。
伸縮性のベルトだけで矯正する装具は、矯正力が弱すぎるのであまり効果的でありません。靴の中で使えるというのは、一見、魅力的なのですが、親指の外反を靴や体重に低抗して、矯正するのはほとんど不可能です。
同様に伸縮性のベルトやサポーターで、中足骨の幅が広がるのを防止する、矯正するというのも、魅力的なアイデアなのですが、荷重に抵抗するだけの効果はありません。
ただ、日本人は屋内で裸足で生活する時間が長いので、その間、伸縮性ベルトやサポーターで中足骨部を押さえ、足幅の拡大を防止することは効果があります。